バラの苗の植え付け・植え替え手順

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バラの苗の植え付け・植え替え手順

バラの苗の植え付け・植え替え手順
文章の修正概要
ここではバラの苗の植え付けについてまとめています。色々と書いてありますが、丁寧にそのまま取り組むのではなく、適当にやっても大丈夫です。ただ、「立派」に「綺麗」に咲かせるためには、細かいテクニックがあるってだけです。
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植え付け

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大苗(=二年生苗=葉っぱも花もないやつ)は11月から3月に出回ります。鉢苗(花と葉っぱのついた苗)は4月から6月あたりに流通します。ラベルのついた信頼できるショップで買うようにします。

日本で流通している苗はノイバラを台木にしていますが、外国の苗はロサ・カニナを土台にしていることが多い。ロサ・カニナは癌腫病に強く、寒さに強い代わりに生育が遅いので寒冷地で育てる場合や癌腫病に困っているのであれば、外国産の苗を使うといいかも。
●二年未満の苗(葉っぱはあるが、大苗に比べると茎が細い。新苗などと呼ぶ)や裸苗(根っこがむき出しの状態の苗)などバラの入手方法は他にもありますが、苗の体力や必要な予備知識を考えると鉢苗が楽で次点が大苗。難しいのが新苗。
●二年生苗は入手次第、速攻で植える。乾燥させるとよくない。二年生苗の植え付けは「移植」に近く、苗にダメージがあり失敗することもある。鉢苗を土を崩さないで植え替える方が初心者向き。
●癌腫病は本来、日本の土壌にはいなかった菌で、ノイバラ台木は耐性が弱め。ロサ・カニナ台木はもともと癌腫病のある地域の植物なので耐性がある!とされる(罹患しないわけじゃないです)。
●バラは一般的には接木苗だが、挿木でも充分に育つ。年数さえかければ大きくはなる。なので気に入ったバラは挿木で保険をかけておくのも手。接木苗の方が初期の生育は明らかに早い。挿木の方が長寿という話もある。

鉢植えか庭植えか

文章の修正庭植えの方が水やりが楽だけど初心者は鉢植えで栽培のコツ(年間の作業の感じ)をつかんでから庭植えにした方がいい。鉢植えの方が移動できるし癌腫病・ネキリムシの対応もしやすいし、小さくまとまりやすい。
●鉢は大体は6号から8号鉢での栽培が普通。10号以上でも可能だが、こうなると移動させたり、植え替えなどの作業が大変。ただ、夏の水やりが辛い。夏の水やりを考えると10号はあった方がいい。
●鉢の素材は何でもいいです。プラ鉢でも。移動や作業を考えると軽いプラ鉢が適している(見た目は知らない)。
●鉢をスリット鉢にすると鉢底の軽石が不要に。

植えつけ時期

文章の修正植えつけ時期
12月から2月がバラの植えつけ適期です。7度以下で活動が止まって休眠しているのでこの時期に行います。この休眠時期であれば土を落として根をいじってもダメージは少なく、春になれば問題なく回復します。

大苗の植え付けは12月から2月あたり(鉢植えも庭植えも)。10月あたりには大苗の早いものは出回るので早い植え付けは可能。大苗は手に入ったらすぐに植え付けをしましょう。保管していると傷んで失敗します。鉢苗は土を落とさず、根を傷つけなければ夏以外に植え付けることも可能。根をいじるのであれば12月から2月の植え付けにします。寒冷地では土が凍結して植え付けできないようなら、暖かくなってから植えます。
●バラは7度以下で生育を止め、4度以下で落葉します。植え付け・植え替えの適期はこの7度以下の時期です。7度以上になると徐々に活動を再開するのでそれまでに行います。寒冷地では7度以上になるのが4月以降ということもありますので、そんなに急がなくてもいいです。
●休眠期は土を落として、根を切っても、むしっても大丈夫。休眠期だけ。

植え替え時期

文章の修正植え替え時期
鉢植えで育てていると根詰まりを起こす。根詰まりを起こすと生育が悪くなり、花も咲きづらくなる。根を広げるスペースを広げるために、一回り大きな鉢に鉢増するか、土を落として同じ大きさの鉢に新しい土で植え替えるかする。鉢増の場合は土を落とさず、根を崩さないで行うのでダメージがないため、真夏以外はいつでもできる。
植え替えをする場合は土を落として根を崩すので、ダメージを最小に抑えられる12月から2月の間に行う。土を落とさないで一回り大きな鉢に鉢増するのであれば、夏以外なら可能。
●鉢の植え替えは数年に一回でいいが、癌腫病・ネキリムシのチェックのためにも2年か3年に一回植え替えをするといい。
●植え替えが厳しいなら、土の表面を解してやったり、新しい土を上から足すだけでも根詰まりを多少は緩和できる。
●植え替えをすることで土の状態をリセットできる(肥料・菌)。
●根が肥料に当たると根が傷んでしまうために、普通は植え付け時には土に肥料を混ぜないようにします。ただしマグワンプなどのような根が出す酸によって溶けて吸収されるタイプは肥料焼けしないので、混ぜても大丈夫です。
●バラの植え替えに向いているのは冬の休眠期、一番不向きなのは夏の暑い時期とされています。夏の植え替えで成功する場合もあるのですが、安全度が高いのが冬、危険度が高いのが夏ということです。

用土

文章の修正用土
水捌けがよく、ある程度の水持ちがあり、肥沃な土を好む。土は弱酸性を好む。日本は雨が多く、雨は弱酸性なので庭土は放置していると弱酸性になる。
鉢植えにする場合は、一般的な花と野菜の培養土で植えるか自作する場合は赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜたものを使う。一番いいのは「バラの専用土」。庭土に3割ほど腐葉土か堆肥を追加して混ぜて用土として使う。
庭植えの場合は、庭土に腐葉土か堆肥を2割ほど混ぜて、水捌けが悪いなら川砂などまぜて調整する。
●安い培養土は避け、有名なメーカーのものを買った方が無難。安い土はピートモスが多めに入っていて、ピートモスは乾燥すると水を弾くため、水をやっても吸収せず通り過ぎることがある。鉢植えならバケツに水をはって冠水させて、無理やり水を吸わせて吸水性を回復させるが…面倒だから安い土はやめとこう。
●ピートモスは水もちが良すぎるので、入れても1割程度に控える。というか入れないでいい。バラ専用培養土を素直に買ったほうがいい。
●用土にパーライトを入れるとコガネムシ避けになるらしい。

植え付け前の下準備

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大苗(二年生苗)の下準備
大苗(二年生苗)の苗は乾燥しないように水苔で根が包んであるか、土に植えられています(仮植え)。苗の接ぎ目(=接木している台木とのつなぎ目)から25cmほどのところで切ってしまいます。根を水につけて国産苗なら2時間、外国産苗なら一晩放置します。
●接木部分に接木テープが巻かれていたらテープを取り除いて植え付けます。接木はつないでいる部分は膨らんでいるので分かります。これより下から生える芽は「目的のバラ」とは違うので、早めに切ってしまう。台木は上の品種より元気がいいから、下から生えやすい。

鉢苗の下準備
鉢苗は花やツボミを落としてから、土を落とさず、根をいじらないで植え付けをします。花やツボミを落とさないで植えると根に負担がかかり、生育不良を起こします。

大苗を鉢に植える

文章の修正大苗を鉢に植える
鉢植えの場合は、根鉢(ポット)より一回り大きな鉢を用意します。鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、イラストのように土を山形に入れる。山の頂点に根を広げて置き、隙間に土を入れていく。鉢を揺らすとまた隙間ができるので、また用土を入れて隙間をうめていき、隙間ができなくなるまで繰り返す。最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
●接木の継ぎ目がちょい出るか土に隠れるくらいの高さに調整する。
●根を傷つけるとバラの癌腫病に感染する。癌腫病は治療不可能。

鉢苗の鉢増

文章の修正鉢苗の鉢増
鉢苗は春に流通する葉っぱ・花があるもの。12月から2月に鉢増する場合は土を落として植え替えも可能です。鉢苗は基本的に土を崩さず、根をいじらないで植え付けをします。土を崩さないなら真夏以外であればいつでも鉢増は可能です。

新しい鉢底の穴を網で塞いで、軽石を2センチから3センチほど入れて、用土を薄く入れ、その上に株を入れます。あとは隙間に用土を入れていきます。鉢を揺らすと隙間が出るので、その隙間に用土を入れて、隙間ができなくなったら、最後に水をたっぷりとやります。
●接木の継ぎ目がちょい出るか土に隠れるくらいの高さにする。
●ウォータースペースも4センチか5センチほど用意する。バラは水を欲しがるので。

植え替え

文章の修正鉢の植え替え
まず冬剪定(枝を切り戻して、葉を全て落とす)します。株を古い鉢から取り出し、古い土を三分の一ほど落としておきます。コガネムシの幼虫の有無や癌腫病の有無をチェックして植え替える。むしろ病害虫のチェックをするために植え替えをするくらい。チェックしないなら土を落とさずに鉢増でもいい。チェックしないと他の鉢に感染するのでチェックは必要です。
新しい鉢の底の穴を網でふさいで、その上に水捌けをよくする軽石を2センチほど入れます。その上に用土を入れます。株を入れ、隙間に用土をつめていきます。最後に水をしっかりとやり、鉢底から水が出たら完成です。
冬に癌種チェックを
冬に植え替え・鉢換えをするときに土を落として、根っこにボコボコが出来ていないか調べます。このボコボコは癌腫病です。癌腫病になると、栄養を取られて弱ります。癌腫病部分を切除して傷に癒合剤(+殺菌剤)を塗ります。
参考癌腫病のメカニズム・治療などのまとめは「バラの癌腫病」を参考に。発症後ではなく、栽培に取り組む前に読んでください。

大苗の庭への植え付け

文章の修正大苗の庭への植え付け
庭植えの場合は、直径50cm深さ50cmの大きさの穴を掘って、大きな石(3cm以上)があれば取り除きます。掘り出した土に腐葉土か堆肥を2割か3割混ぜて用土とする。4分の1の土に緩効性化成肥料か有機肥料(油かす・骨粉・熔成リン肥・草木灰を200gづつ)か、バラ用肥料を混ぜて、穴の底に入れます。その肥料を混ぜた用土の上に、肥料を混ぜていない用土を4分の2の土を穴に戻し、その上に株を入れます。苗の根を広げ、根を切ったり、根が上を向かないようにして、根が隠れるまで、残りの用土を静かに入れていきます。隙間に土を入れて、あまった用土で土手を作って水鉢を作ります。最後に水鉢に水が溜まるくらいにタップリの水をユックリとやります(水極め)。水が引いたら、土手を崩して凹んだところに再度用土を足し入れて完成です。
●株同士は最低70cm以上空ける。
●水極めのときに苗を摘んで少し揺らして、根と土を馴染ませるといいです。あくまで根を傷つけない程度に。
●肥料を混ぜた用土は根に当たらないようにする。根にあたると肥料やけをするため。
●接ぎ目は地表から少し出るか隠れるくらいに植える。
ツルバラをフェンスに絡ませる場合、フェンスと株の間は少し離す。40cmから50cmくらい。あんまり近いとフェンスの近くにシュートが出たときに作業しにくいため。

肥料やけについて
肥料焼けは濃度の濃い肥料に根があたって、浸透圧の差で根から水が出て脱水症状を起こして火傷したようになること。よって肥料の濃度がそこまでじゃないなら根に当たっても問題はない。地表から地下20cm程度のところのバラの根から肥料が吸収されるため、「(上記のイラストのように)穴の底に肥料を混ぜ込むのはあんまり意味がない」として否定する栽培家もいる。でも、どの程度の濃度なら問題ないのかは庭土の状況・品種によって違うため、「コレ」とは断定できない。うちのサイトではオーソドックスな手法として上記のものを載せた。一番便利なのは庭土ではなく「バラの培養土(肥料が入っている)」をそのまま植え付けに使うこと。バラの培養土をそのまま使えば殺菌済みなので癌腫病も予防できる。

本やうちのサイトでは簡単に「堆肥と庭土を混ぜる」と記述してあるけど、実際には重労働で何株も植えるとなると苦行。お金はかかるがバラの専用土で簡略化するのは有り。ただ、庭を掘って出た土があまるわけで、その土をどうするのか?!という新たな問題が発生する。

鉢苗の庭への植え付け

文章の修正鉢苗の庭への植え付け
直径50cm深さ50cmの大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を2割か3割混ぜて用土とする。4分の1の土に油かす・骨粉か、バラ用肥料を混ぜて、穴の底に入れます。あとは鉢苗の地表と庭の地表が同じになるように高さ調整をしつつ、用土を入れて株を入れる。
できれば上の「大苗の庭への植え付け」と同じように余った用土で水鉢を作って水を貯めて水極めをする。ただ、苗をつまんで揺らすのはしない。
●接木の繋ぎ目が土に隠れるかちょい出るくらいが理想。
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